ギャンブルで借金をしてしまっても債務整理はできる？
借金の返済でお困りになってご相談いただく方の中には、借金の原因がパチンコやスロット、競馬や競輪などのギャンブルにあるという方がおり、「ギャンブルがもとで借金を作ってしまっても債務整理はできますか？」というご質問をいただくことがあります。
ギャンブルが原因で借金をしてしまった方でも債務整理はできます。
ただ、借金の原因がギャンブルである場合、債務整理の手続のうちには馴染まないものもあります。
本コラムでは、ギャンブルがもとで借金を負った場合でも可能な債務整理について解説していきます。
借金の原因がギャンブルでも利用可能な債務整理の方法①：任意整理
任意整理とは、弁護士などの専門家に依頼して貸金業者との間で借金を減らす話し合いをするものです。
任意整理を行う際に重要なのは貸金業者との間で新たに取り交わした約束通りに支払いができるかどうかなので、借金を負った理由を問われることはありませんし、仮にギャンブルが原因での借金だったとしても原因が問題視されることもありません。
任意整理についての詳しい説明はこちらのページ にも掲載しておりますのでご参考になさってください。
借金の原因がギャンブルでも利用可能な債務整理の方法②：個人再生
個人再生とは、借金の5分の１程度の額（5分の1の額が100万円に満たない場合は100万円、1500万円から3000万円未満の場合は300万円、3000万円から5000万円の場合は総額の10分の1）を3～5年の間に支払えば、残りの借金を免除してもらえる手続で、裁判所を通じて行います。
裁判所に申立をするとなるとギャンブルが元で作った借金があると使えない手続なのではないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、個人再生の手続では、手続の中で作成する再生計画案というものに従って滞りなく返済ができるかどうかが主な焦点となります。
申立の際に借金を負った理由がギャンブルであるということの説明はしますが、だからといって個人再生の手続ができなくなるわけではありません。
個人再生についての詳しい説明は こちらのページ にも掲載しておりますのでご参考になさってください。
自己破産は原則として利用不可能
以上が借金の原因がギャンブルでも利用可能な債務整理の方法です。
一方で、自己破産は原則として借金の原因がギャンブルである場合、認められません。
自己破産は、申立が認められると借金を全て支払わなくてよくなるという、借金を負った方については非常にメリットの大きい手続です。
ギャンブルといういわば自分勝手ともいえる理由で負った借金についてまで支払わなくてよいとなると、債権者としては到底納得できないでしょう。
そのため、自己破産の手続きにおいては、ギャンブルによる借金は免責（支払いをしなければならないという責任から免れるという意味です。）しないと規定されています。
ただ、ギャンブルがもとで借金を負った場合でも、自己破産が認められる可能性もないではありません。
自己破産の手続では、ギャンブルや浪費のための借り入れや、氏名や収入などを偽っての借り入れなど、免責を認めないとする事情がいくつかあります。
これを免責不許可事由といいます。
この免責不許可事由に当たる事情があったとしても、裁判所が「免責を認めるに値する」と認めてくれれば自己破産は可能です。
これを裁量免責といいます。
裁判所が裁量免責を認めてくれるかどうかについては、専門家の判断が不可欠になりますので、まずは一度弁護士に相談することをおすすめします。
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