過去に借入をした先から突然届く手紙や通知には、「話し合いをしたい。」「速やかにご連絡ください。」といった文言が書かれていることがほとんどです。
このような文言が書かれていると、一緒に記されている借金の金額も相まって不安を感じ、「一度連絡をしてみようかな…。」と考えてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、これまでずっと債権者への支払いをしていなかったのに、ここで債権者に連絡を入れたり、債務を認めるような発言をしたりすると、消滅時効を更新してしまう(時効を振り出しに戻すこと)理由の一つである「債務の承認」とみなされ、本来主張できるはずの消滅時効の援用が出来なくなってしまいます。
そこで、今回は「債務の承認」とは何か、どのような行為がそれに当たるのかをお話ししたいと思います。
債務の承認とは?
債務の承認とは、そのままの文字通り「債権者に対して債務があることを認めること」をいいます。
では、どのような行為が債務の承認に当たるのでしょうか。
債務の承認に当たる行為とは?
以下が債務の承認に当たる主な行為となります。
- 債権者への支払いをする
- 債権者に対して支払猶予を求める発言をする
- 債務を承認するような内容の書面に署名捺印をする
債権者への支払いは、全額の支払いに限らず、ほんの一部の支払いであっても債務の承認とみなされます。
もしも債権者から連絡が来て、「少しだけでも支払ってほしい。」などと言われたとしても、絶対に支払いはしないようにしましょう。
逆に、債権者に対して自ら「支払いを少し待って欲しい。」「分割での支払いにして欲しい。」などと支払の猶予を求めるような発言をすることも債務の承認に当たります。
ここで、電話口での口頭の発言であるからといって油断は禁物です。
債務の承認は書面だけに限りませんので、債権者側で録音されていた場合には債務の承認の証拠となってしまいます。債権者から連絡が来たとしてもこうした発言は避けるようにしましょう。
また、言わずもがなですが、債務を承認する内容の書面に署名捺印することは債務の存在を認めることになりますので十分に注意する必要があります。
とはいえ、債務の承認がどのような行為かを頭では理解していたとしても、知らず知らずのうちに債務の承認に当たる行為をしてしまう可能性もあります。
そうならないために、債権者からの手紙や通知が届いたときには、自ら債権者に連絡をしたり、やり取りをしたりせず、まずは専門家である弁護士に相談することを強くおすすめします。
当事務所では消滅時効の援用の事案を数多く取り扱っており、経験、実績も豊富です。
債権者からの通知でお困りの方、お悩みの方はぜひお気軽に当事務所(TEL:0276-56-4736)までご連絡ください。
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